部品/原材料の適正在庫量は?
■今回は、お客様から「部品/原材料の適正在庫量」について相談された内容についてお話したいと思います。
- 部品の在庫はいくつ持てば良いのか?
- いくつが適正在庫なのか?
以下のようなケースです。(わかりやすい例にしています。)
- ある製品を生産するために部品Aを注文しないといけません。
- 製品の生産計画は、毎月30個です。毎日1個生産します。
- 調達計画は、月に1回立て部品の在庫/注文済みを差し引いて業者に部品を注文します。
- 部品は、注文すると納品までに1ヶ月かかります。(リードタイム)
- 在庫は、ゼロですか?
- 在庫は、1個ですか?
- 在庫は、30個ですか?
まず制約条件を考える必要があります。
- 部品の納品の形態です。
1個づつでも可能ですか? - 納品の回数はどのくらいですか?
- 生産計画のばらつきはありますか?
■(1)ケース1
条件を以下のようにします。
- 1個づつの納品が可能。
- 納品は毎日
- 生産計画のばらつき無し
こんなケースは殆どありませんが、生産計画のばらつきがありませんし、毎日の生産が1個ですので在庫は、1つでも問題ないですね。
在庫を多く持つ必要はありません。
■(2)ケース2
条件を以下のようにします。
- 10個づつの納品しかできない
- 納品は1ヶ月に2回
- 生産計画のばらつきあり
・10個づつの納品ですから在庫の最大は10個になります。
・納品は1ヶ月に2回ですから、生産するためには、在庫は15個必要ですね。
でも、1回の納品の数量が10個ですので最大在庫は20個になります。
・生産計画のばらつきを考える必要があります。
部品のリードタイムが1ヶ月なので生産計画が1ヶ月先まで変更があるかどうかですね。
変更が無ければ、注文は1ヶ月先まで行うことができます。
納品の制約条件で在庫が決まります。
最大在庫は、20個になります。
変更があれば、変更分の在庫を持つ必要があります。
最大在庫は、20個プラス変更分になります。
■では、在庫を下げるにはどうすれば良いのでしょうか。
一般的には以下のようなことです。
- 納品の数量を小さくする。
梱包などのコストを考えて納品の数量を小さくする。
- 納品の回数を増やす
運送コストを考えて納品の回数を増やす
- 生産計画のばらつきを取り込む
生産計画/調達計画の作成するサイクルを短くする。
例えば、
月に1回、生産計画/調達計画を立てる場合は、1ヶ月の ばらつきの在庫を余分に 持たないといけません。
週に1回、生産計画/調達計画を立てる場合は、1週間の ばらつきの在庫を余分に持つ必要があります。
部品点数が多い場合はMRPなどの機能をもったシステムを導入する必要があります。
- 業者のリードタイム(注文から納品まで)を短くする。
現在、大手の電子機器メーカー(親会社)は部品メーカーに対して以下のようにおこなっています。
- 注文を半年先まで部品メーカーに連絡します。 これは、見込み注文です。
- 確定注文は、1週間です。
- 注文は、毎日更新されます。これを部品メーカーへ連絡します。
- 当日の注文のみ、親会社に納品します。
(実際は、2時間おきです。)
●「在庫管理と生産管理」の関連ページです。
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