内部統制とは


内部統制とは

内部統制とは、何でしょうか?

アメリカでは、エンロンやワールドコムの問題で、SOX法が制定されました。

日本でも、カネボウやライブドアで不祥事が相次いで発生しました。

その為に、日本でも内部統制の法制化がおこなわれています。


■1.法制化の変遷

まず法制化された変遷を理解した方がよいですね。

日本では、アメリカのSOX法の後に内部統制については次のような法律が制定されました。

  • 2005年12月
    「財務報告に係わる内部統制の評価及び監査の基準のあリ方」

  • 2006年4月
    「会社法」施行

  • 2006年6月
    「金融商品取引法」が成立

  • 2007年2月
    「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の設定について(意見書)」

です。

2006年6月の金融商品取引法を受けて、2007年2月に金融庁の企業会計審議会の内部統制部会から
出された
「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の設定について(意見書)」
省略して「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準のあり方について」

に内部統制の内容があります。

■2.法制化された目的

法制化された目的は、

財務諸表や財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性のある情報の信頼性を確保すること

です。


■3.内部統制とは

内部統制については、
金融庁の企業会計審議会の内部統制部会から出された
「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の設定について(意見書)」
には次のように定義されています。

「内部統制とは、基本的に、4つの目的が達成されているとの合理的な保証を得るために、
業務に組み込まれ、組織内のすべての者によって遂行されるプロセスをいい、
6つの基本的要素から構成される。」

と定義されています。

わかりにくいですね。

簡単に言うと、「不正やミスをしないように社内の点検や管理の体制や仕組みを整えること」ですね。

4つの目的と6つの基本的要素を説明します。


●4つの目的とは

何の為に内部統制を行なうかですね。
内部統制をおこなう目的です。

それぞれに、説明を入れています。
  1. 業務の有効性及び効率性
    事業活動の目的の達成のため、業務の有効性及び効率性を高めることです。

    売上や利益をあげるための、販売促進、顧客満足などの活動で業務の有効性を高め、コスト削減などで効率性を高めることです。

  2. 財務報告の信頼性
    財務諸表及び財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性のある情報の信頼性を確保することです。

    財務諸表は、株主、投資家、取引先、金融機関、従業員などにとってそれぞれの立場の意思決定に非常に重要です。
    その為には、不正やミスのない情報を確保することが必要です。

  3. 事業活動に関わる法令の等の遵守
    事業活動に関わる法令その他の規範の遵守を促進することです。

    重大な法令違反を起こしたために、大きな損失を被り、企業の存亡の危機にまで陥った企業が多くあります。
    これを防ぐためには、法令等の遵守を徹底するすることが重要です。

  4. 資産の保全
    資産の取得、使用及び処分が正当な手続き及び承認の下に行われるよう、資産の保全を図ることです。

    事業活動には、棚卸資産などの有形資産や特許権や知的財産などの無形資産が多くあります。
    それらの資産N価値が無駄に損なわれないようにする必要があります。


次に6つの基本的要素です。

●6つの基本的要素

内部統制で実施する事柄(事項・内容)です。

  1. 統制環境
    組織の気風を決定し、組織内のすべての者の統制に対する意識に影響を与えるとともに、他の基本的要素の基礎をなし影響を及ぼす基盤です。

    具体的には
    • 誠実性及び倫理観
    • 経営者も意向及び姿勢
    • 経営方針及び経営戦略
    • 取締約会及び監査役又は監査委員会の有する機能\n
    • 組織構造及び慣行
    • 権限及び職責
    • 人的資源に関する方針と管理

    などです。

    やっぱり、経営理念、経営方針とそれをどのくらい企業の仕組みとして適用しているかだと思います。

  2. リスク評価と対応
    組織の目標の達成に影響を与えるリスクを識別、分析及び評価することによって当該リスクへの適切な対応を行う一連のプロセスです。

    経営者は、企業の経営目標を達成するために、阻害要因となるリスクを洗い出し、評価するとともに、リスクを低減させるための適切な対応をとることが求められます。
    内部統制を設計、導入するプロセスです。

  3. 統制活動
    統制活動とは、経営者の命令及び指示が適切に実行されることを確保するために定める方針及び手続きです。

    企業で必要な業務、例えば、販売、購買、財務、生産、人事などを管理しています。
    これらの業務に必要な作業が正しくおこなわれるように統制します。

  4. 情報と伝達
    必要な情報が識別、把握及び処理され、組織内外及び関係者相互に正しく伝えられることを確保することです。

    企業活動に情報とその情報を伝達する手段がうまく機能することが必要です。

  5. モニタリング
    内部統制の有効性を継続的に評価するプロセスです。

    内部統制がきちんと機能しているか常に監視、評価及び是正することが必要です。

  6. ITへの対応
    組織目標を達成するために予め適切な方針及び手続きを定め、それを踏まえて業務の実施において組織の内外のITに対し、適切に対応すること。

    内部統制をITの利用したシステムを利用することにより、ルールを逸脱した行為を未然に防ぐことができます。


■4.やり方

内部統制のやり方です。

経営者は、内部統制を整備・運用する役割と責任があります。

次のようなステップで内部統制をおこなってゆきます。

  1. 不正を妨げる管理体制を整備します。

  2. 管理体制を点検、評価します。

  3. 評価結果を毎年「内部統制報告書」にまとめて決算とともに公表します。
    財務報告に関する内部統制の有効性を経営者自らが評価して「内部統制報告書」を作成する必要があります。

  4. 報告書を監査法人に提出し、監査を受けます。
    監査法人が「内部統制報告書」を監査して「内部統制監査報告書」を作成します。

  5. 監査結果をまとめた「内部統制監査報告書」を公表する。

日本の内部統制に関する部分を「J-SOX法」と呼ぶ人もいます。
アメリカのSOX法とは、内容は異なっています。


■5.対象企業

内部統制の対象企業は、株式を上場している企業です。
日本で約4000社あります。

■6.罰則

虚偽報告については、懲役5年以下もしくは、罰金500万円以下の罰則があります。

アメリカの、SOX法よりはずっと軽い刑罰です。


■7.問題点

内部統制の問題点として、難しいのは、内部統制をどこまでやるですね。
次のような理由があります。

  • 「何を」「どこまで」が不透明です。
  • 人によって考え方が異なります。
  • 絶対に安心ということはありません。
  • 一過性のものではありません。

などがあります。

コンサルタントやシステム業者がいろいろなことを言って煽ってきます。

内部統制に掛けるコストと効果をよく見ておく必要がありますね。



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